対談

12月14日に行われた対談の様子をご紹介します。

 

魚谷:こんにちは。今日は、BFCの4回生のお三方にお集まりいただいて、BFCのことについて改めて対談形式でいろいろお聞かせ願えたらなと思います。僕は、広報担当の魚谷です。では簡単に自己紹介を、BFC内の役職と一言と一緒にお願いします。

酒井:栗田ゼミ5期生のBFC代表をしておりました、酒井菜緒です。よろしくお願いします。

牧野:私は、同じくK5の牧野愛です。絵本を担当しています。今作成中なのでそこも含めてお話できたらと思います。よろしくお願いします。

住吉:K5の住吉咲久良です。BFCでは国内活動を担当しています。よろしくお願いします。

魚谷:絵本活動や国内活動といった話がありましたが、改めて、BFCの活動内容や目的について教えてください。

酒井:発展途上国の子どもたちの可能性がちょっとでも広がるきっかけを作れたらいいなと思って様々な活動をしています。具体的には、はじめは絵本を作って送るという活動をしていましたが、私たちの代になってから新しく教科書を作って子どもたちに届けたり、日本の小学生と現地のアフリカの子どもたちの交流を図ろうと思って、私たちが架け橋となって出張授業やビデオレターを作成しました。

魚谷:国内活動など多方面にわたって国内と海外を繋ぐという活動をしてらっしゃると思うのですが、まずBFCに入った理由や、実際入ってみて本当に可能性が広がったのかという体験を聞かせてください。

住吉:そうですね、BFCに入ったきっかけとしては発展途上国に興味があって、昔別団体で海外の子どもに日本の絵本を翻訳して送るという活動をしていたこともあり、BFCの活動に興味があり入りました。国内活動をしていて、日本(西宮)の小学校で発展途上国を知らない子どもたちもたくさんいて、そのような子どもたちにも「世界はこんなにも広いんだよ」とか発展途上国のことを知ってもらうというのは将来何かの役に立つのではないかと思い、国内活動担当として活動を楽しくやっていました。

魚谷:実際に我々も3回生としてセネガルに行って(教科書を)送ってきたりして、その中で実際に教科書を使ってもらえもらえるのかという不安に駆られることもあり、活動の意義が揺れたこともあったのですが、その点について、まなさんは海外活動でどのような経験をされ、どのような想いを持ちましたか?

牧野:実際に話し合いをしたわけではないですが、感じている部分は何かしらみんなあるのかなと思っています。日本にいるときは絵本を作ってわたすことにすごく意味があるんだと思っていたんですが、向こう(現地)に行ったときに、もっと「現状」みたいなものがあって、本当にそれをわたすことが彼らの希望になるのかとか、良い物になるのかとかすごく疑問に感じて、でも教科書を持って行って渡したときとか、やっぱり彼らがすごく笑顔になっているのを見て、嬉しそうに持って「もらったよ、これ!」って言ってるのを見たりして、そういう笑顔を提供できたというのはすごく良かったのかなと思います。次はそれを継続して使ってもらえるようにとか、この子が親になったときに子どもに渡してもらえるようなものを提供していかないのかなと、BFCの絵本を通して考えました。

魚谷:やっぱり、自分がやっていることに対して、笑顔が見れるというのは僕もすごく感じたところで、悩んだりすることもあるんですけど、自分たちのやっていることは決して間違ってはいないと思えますね。

牧野:なくてもいいかもしれないけれど、でもあると全然子どもたちとか向こうの人たちの知らないものを提供できるとか、私たちが行くことも意味はあるけど帰っちゃったらそれまでだし、そこに何かを残せたっていうことは重要だなと思います。

魚谷:BFCの活動の大きな目的である絵本というのも、先ほど言っていただいた「なくても生きていけるけど、あった方が絶対に良いもの」の一つだと思うんですけれども、絵本とか教材を作っている過程で、子どもに与えられるものの大きさとか、絵本・教材をわたすことの意味をなおさんは改めて考えたりしましたか?

酒井:教材を作っている途中のときは、まだマダガスカルの子どもたちのことを知らない状態で作っていたんですけど、そのときはただただ必死にその子たちのためになればいいなと思って作っていましたね。

牧野:でも教材作ってるときも、どういう教材やどういう項目がその国の人たちのためになるのかなって考えて作ってて、どうやったらいいか想像の中で向こうの人たちと話し合って決めていました。それで実際わたしてすごく喜んでもらえたので良かったかなと思います。

魚谷:教材はK5から始まりましたが、だれが言い始めたんですか?

牧野:先生筆頭にみんなで決めましたね。

魚谷:なるほど。では絵本作りについても聞いていきたいと思うんですが、今はどのような段階ですか?

牧野:今は絵を描く段階で、これまでは外注で美大生にボランティアで描いてもらったりとかが主流だったけど、今回は初めての試みで、自分たちで絵を描いてストーリーも考えていきたいなということで、みんなに協力してもらいながら取り組んでいるところです。あと最後もう少しストーリー詰めしたいところでどうするか悩んでます。来年の2月に(マダガスカルに)持っていく予定なので、1月に完成できるように頑張ってます。

魚谷:では、ストーリーを少しだけ、読みたくなるような感じでご紹介していただけないですか?

牧野:マダガスカル行ったときに感じたことですが、村の中にいたらその中で生活はできるし、例えばお父さんがトラック運転して外に出ることはあるんですけど、子どもとかお母さんとかが街に出ることはあまりなくて、村の中で完結している感じがしました。だからその背景を踏まえて、少し隔離された世界を表現するために舞台は土の中の世界ということで、虫をモチーフに主人公にして物語を作ってみました。隔離された中で、自分のやりたいって言う意思や、こう生きていきたいという意思を気付きにくい、持ちづらい世界なのかなとマダガスカルで感じたので、それをどう実現させていくか、同勇気を持って一歩踏み出すのかということを大きなテーマにしています。

魚谷:なるほど、すごく読みたくなりましたね。完成したらまた広報としても公開していきたいなと思うので、ぜひ頑張ってください。最後に、そろそろ卒業ということで、BFCを継続していく私たちに伝えたいメッセージを順番にお願いします。

酒井:BFCは栗田ゼミの中でも学年によって全然色が違うグループなのかなと思っていて、私たちの学年はK5として新しくしたこともあるし、K6やその下の学年は全然違うことをすると思うんですけど、発展途上国にいる子どもたちのことを思って続けるということは全員に共通していると思うので、自分たちの想いを大切にこれからも頑張っていってください。

牧野:BFCという活動をするにあたって、絵本絶対作らないといけないとか、教科書去年始めたからこれからも続けていかないといけないとか、伝える形が固定されて義務で続けてくのではなくて、日本にいてその国に想いを馳せたときに感じたことを形にしようとか、何かその国の人たちに伝えたいと思ったことをぜひ彼らに届けようと思ったときに、どういう形で届けるかが重要だと思います。絵本は今もずっと続いているけど、何か子どもたちに伝えたいという想いがあるから続いているだけであって、今後もし絵本がなくなってもそれはそれでいいのかなと思うし、その代わり別の新しい形が生まれて活動が発展していくのかなと思います。だから大事なのは、伝えたいと思う気持ち、そしてそれをどう表現するか、ということを手を抜かずみんなで一生懸命話し合えばすごくいい活動として続いていくのではないかと思います。

住吉:BFCっていうのは、ベクトルは発展途上国の世界の子どもたちに向いているんですけど、でも国内活動をしているときに感じたのは、日本の子どもたちにその世界のことを伝えることで、その子たちが将来育ったときに発展途上国の世界について考えるきっかけづくりになれるので、発展途上国の子たちのことを考えるのはもちろんなんですけど、日本国内の子どもたちにも将来の可能性というか、考えるきっかけになることも伝え続けていってほしいです。

魚谷:ありがとうございます。先輩たちからの熱いメッセージが胸に響きました。良いものは残していきつつ、話の中でもあったように、時には自分たちの色を出していきながら変革を起こしながら、後々の世代にもBFCの魂を継いで行けたらなと思います。今日はお三方本当にありがとうございました。これからも頑張っていくので応援よろしくお願いします。

2018年12月15日